
何が違うの?


不動産投資における「キャッシュフロー」と「利益」の違いとは?
年収300万円(税率15%)の人が100万円の利益をあげる不動産を購入した場合
キャッシュフロー100万円-税金15万円(利益100万円X税率15%)=税引後キャッシュフロー85万円
初めの100万円にはキャッシュフロー、途中の100万円には利益と書いてあります。
この「キャッシュフロー」と「利益」には同じように見えて違いがあります。
不動産を購入する際に、多くの方が銀行から融資をしてもらうと思います。
その場合、借りた翌月から返済が始まります。
この時のお金の流れは、
年間賃料-支出(固定資産税+銀行への返済)=キャッシュフロー
となります。
キャッシュフローの計算の中に、固定資産税に加えて、銀行への返済が入ってくるのです。
銀行への返済には2つの面があり、1つ目は借りたお金そのものの返済(元金返済)。
2つ目が利息です。
借りたお金そのものの返(元金返済)は利益を計算するときに、年間賃料から引くことができません。
年間賃料-経費(固定資産税+銀行への返済のうち利息だけ)=利益
となります。
「キャッシュフロー」と「利益」の違い
年間賃料120万円の物件で、銀行への返済も含めた支出の合計が40万円の場合
キャッシュフローの計算 | 利益の計算 | |
年間賃料 | 120万円 | 120万円 |
固定資産税 | 10万円 | 10万円 |
銀行への返済 | 40万円 (うち元金30万円)→ (うち利息10万円)→ |
引くことができない 10万円 |
キャッシュフロー 70万円 | 利益 100万円 |
このように、利益は年間賃料から経費(利益を計算する時にひくことのできるもの)だけを引いたもので、キャッシュフローは年間賃料から支出(実際に出たお金)を引いたものという違いがあります。
この例では、利益は100万円出ているのに、キャツシュフローは70万円となり、利益よりもキャッシュフローが30万円少なくなっています。

不動産投資で重要なのは「キャッシュフロー」の方なんだよ。

利益がいくら多くてもキャッシュフローが少なければ意味がありません。
キャッシュフローよりも利益が多くなると、税金が高くなって税引後キャッシュフローは、さらに少なくなってしまうからです。
税引後キャッシュフローとは?
キャッシュフロー-税金=税引後キャッシュフロー
税金は利益から計算されるので、上の例を参考にすると、
利益100万円×税率15%=税金15万円
となります。
そのため、税引後キャッシュフローは
キャッシュフロー70万円-税金15万円=税引後キャッシュフロー55万円
となります。
このように、キャッシュフローが少なく、利益が多くなってしまうと、引かれる税金が増えてしまうのです。
そのため、キャッシュフローはできるだけ多く残るようにし、利益はより少なくなるようにすることで、税金は少なくなり税引後キャッシュフローは多くなるということになります。
元金の返済はなんで経費にならないの?
しかし、その借りたお金を返したときはただお金を返しただけなのです。
だから、元金の返済は経費にならないのです。
不動産投資で「キャッシュフロー」を増やすために検討したいこと!


キャッシュフローの計算式
年間賃料-支出(固定資産税+銀行への返済)=キャッシュフロー
このキャッシュフローの計算式から年間賃料が増えれば、支出(固定資産税、銀行への返済)が減ればキャッシュフローは増えます。
ただ、賃料を上げてしまうと入居者が少なくなる可能性がありますよね。
固定資産税は市町村が金額を決めるため、金額を下げることはできません。
そのため、今回キャッシュフローを増やすために検討したいのが銀行への返済を少なくするということです。
銀行への返済額を少なくするには?
年間賃料が120万円、固定資産税10万円、銀行への返済条件が、借入金額350万円、金利3%、返済期間10年、毎年の銀行への返済が40万円の場合
年間賃料120万円-支出50万円(固定資産税10万円+銀行への返済40万円)=キャッシュフロー70万円
返済期間が20年で毎年の銀行への返済が23万円の場合
年間賃料120万円-支出33万円(固定資産税10万円+銀行への返済23万円)=キャッシュフロー87万円
返済期間を倍にするだけで、キャッシュフローが毎年17万円も多くなるのです。

でも返済期間を長くするのってリスクありそう…。
そのお金で良い設備にすることで賃料アップも期待できるし、賃料の値下げ交渉にも余裕をもって対応できるからメリットも大きいんだよ。

むやみに返済期間を延ばせばいいのでなくバランスが大切ですが、不動産投資で重要なことは「キャッシュフローがいくら残るのか」なのでキャッシュフローを増やすために検討してみてください。