
売却したら、収入なくなっちゃうから。


今回は、不動産投資をするなら「売却と再投資」のサイクルを繰り返す重要性について説明しよう。
不動産投資には「デットクロス」がある!

「デットクロス」とは?
また、経年劣化による経費は徐々に上がっていき、キャッシュフローは年数が経つにつれて減っていくのです。
キャッシュフローが減っていくタイミングを「デットクロス」と呼ばれています。
デットクロスは売却のデッドラインとも言われています。
不動産投資で必ず知っておきたい!「減価償却費」とは?で税引後キャッシュフローの計算方法を紹介しましたが、キャッシュフローは年間賃料から
- 固定資産税
- 銀行への返済額
を引いた金額です。
利益は年間賃料から
- 固定資産税
- 銀行への返済額の利息分のみ
- 減価償却費
を引いた金額となります。
税金は利益に税率を掛けると計算でき、キャッシュフローから税金を引いた額が税引後キャッシュフローとなります。

銀行への返済額は、元金と利息からなりたっていますが、「元利均等返済」という毎月の返済額が同じ返済方法を選んだ場合、返済当初は元金よりも利息分が多くなります。
つまり、返済当初は利益が減り、税引後キャッシュフローが増えるということです。
しかし、返済が進むにつれて元金の割合が利息よりも増えていきます。
そうすると、返済が進むにつれて利益が増え、税引後キャッシュフローが減っていくのです。
また、利益を計算する際に引く減価償却費(年数の経過や使用によって価値が減る場合、取得した価額を耐用年数に応じて経費にできる会計処理)も決められた耐用年数の期間内に限られるため、耐用年数が過ぎてしまうと利益がさらに増えてしまいます。
収益不動産を長期保有してしまうと「家賃収入はあるのに税金の支払いばかり増えて、手元にお金が残らない」という「デットクロス」を迎えることになってしまいます。
税引後キャッシュフローの計算方法を詳しく知りたい方はこちらをお読みください!
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不動産投資で必ず知っておきたい!「減価償却費」とは?
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不動産投資の「売却と再投資」のサイクルを5年くらいで繰り返す!

不動産投資で資産拡大を考えているなら、「売却と再投資」のサイクルを5年くらいで繰り返すことが大事なんだよ。

不動産投資で資産拡大をする場合、購入当初の「利息」と「減価償却」によるメリット活かして、メリットが薄れる前に売却するサイクルを繰り返すことが必要となります。
「売却と再投資」のサイクルをシミュレーションしてみよう!

1棟目
- 家賃収入:850万円
- 購入価格:1億円
- 自己資金:700万円(購入費用分として)
- 借入金額:1億円
- 金利:1.5%
- 返済期間:30年
- 初年度返済額:415万円(元金267万円、利息148万円)
- 運営コスト:200万円
- 減価償却費:187万円
- 税率:30%
キャッシュフロー=家賃収入850万円-初年度返済額415万円-運営コスト200万円=235万円
初年度は購入経費(自己資金)700万円があり、赤字なので税金はありません。
2年目以降は
利益=家賃収入850万円-利息148万円-運営コスト200万円-減価償却費187万円=315万円
税金=利益315万円×税率30%=94万5000円
税引後キャッシュフロー=キャッシュフロー235万円-税金94万5000円=140万5000円
5年間での収益は?
所得と税金の変動を考えずに5年間のトータル収益を計算すると、
税引後キャッシュフローの累計額=初年度キャッシュフロー235万円+(2年目以降の税引後キャッシュフロー140万5000円×4)=797万円
購入経費(自己資金)700万円を引くと97万円の収益があるということになります。
5年後に購入額1億円で売却をした場合
- 売却額:1億円
- 簿価:9065万円
- 残債:8342万円
- 仲介手数料:306万5000円
- 税率:20%
このような場合、手残り=売却額1億円-残債8342万円-仲介手数料306万5000円=1351万5000円
譲渡益=売却額1億円-薄価9065万円-仲介手数料306万5000円=628万5000円
税金=譲渡益628万5000円×税率20%=125万7000円
税引後純利益=手残り1351万5000円-税金125万7000円=1225万8000円
5年間の収益と売却時の純利益をプラスすると約1323万円となります。
この得たお金を2棟目を購入する頭金にします。

2棟目
- 家賃収入:850万円
- 購入価格:1億円
- 自己資金:1300万円+700万円(購入費用分として)
- 借入金額:8700万円
- 金利:1.5%
- 返済期間:30年
- 初年度返済額:360万円(元金230万円、利息130万円)
- 運営コスト:200万円
- 減価償却費:187万円
- 税率:30%
キャッシュフロー=家賃収入850万円-初年度返済額360万円-運営コスト200万円=290万円
初年度は購入経費(自己資金)2000万円があり、赤字なので税金はありません。
2年目以降は
利益=家賃収入850万円-利息130万円-運営コスト200万円-減価償却費187万円=333万円
税金=利益333万円×税率30%=99万9000円
税引後キャッシュフロー=キャッシュフロー290万円-税金99万9000円=190万1000円
5年間での収益は?
所得と税金の変動を考えずに5年間のトータル収益を計算すると、
税引後キャッシュフローの累計額=初年度キャッシュフロー290万円+(2年目以降の税引後キャッシュフロー190万1000円×4)=1050万4000円
購入経費(自己資金)700万円を引くと350万4000円の収益があるということになります。
5年後に購入額1億円で売却をした場合
- 売却額:1億円
- 簿価:9065万円
- 残債:6857万円
- 仲介手数料:306万5000円
- 税率:20%
このような場合、手残り=売却額1億円-残債6857万円-仲介手数料306万5000円=2836万5000円
譲渡益=売却額1億円-薄価9065万円-仲介手数料306万5000円=628万5000円
税金=譲渡益628万5000円×税率20%=125万7000円
税引後純利益=手残り2836万5000円-税金125万7000円=2710万8000円
2棟目を購入する際に投入した自己資金1300万円を引くと約1411万円の収益となります。
5年間の収益と売却時の純利益をプラスすると約1761万円となります。
- 1棟目は5年間で純利益が約1323万円(1年で264万6000円)
- 2棟目は5年間で純利益が約1761万円(1年で352万2000円)
長年同じ不動産を所有するのではなく、短い期間で「売却と再投資」のサイクルを繰り返すことで、年間の収益が約1.5倍となります。

