


今回は、しっかり企画段階で準備をしていない人が陥りやすい想定外について紹介しよう。
実例!初心者大家が陥った想定外とは?
アパートを建てようと考え始めたQさん。
Qさんは、アパート経営のことはほとんど何もわからない「迷える子羊」でした。
Qさんは、不動産業者に資料請求すると、しつこく勧誘されるのではないかと思って、まだ建てるかどうか決めていない段階で資料請求もできませんでした。
Qさんは、信託銀行に勤めていて、ローンのことはよく知っていて、不動産業務や土地信託に関わったこともあり、アパート経営にまったく無縁だったわけではありませんが、アパートを建てさせる側の知識だったため、あまり役に立ちませんでした。
そのため、Qさんは、アパートを建てさせる側の仕事でそれなりに知識は持っていても、いざQさん自身がアパートを建てるとなると、不安で仕方ないという状態に陥りました。
意を決したQさんは、最初に相談した大手ハウスメーカーの営業マンが信頼できそうな人というだけの理由で、ハウスメーカーに任せることにしました。

Qさんの意思で決めたことと言えば、金利変動リスクを回避するために、全期間固定金利でローンを借りたことくらいです。
結果、Qさんが思ってもみなかった「想定外」とは?
結果、思ってもみなかったようなことがいろいろ起こりました。
Qさんは、ほとんど何も想定していなかったので、起こったことはほとんど「想定外」のことでした。
Qさんの陥った「想定外」
- 農地転用許可がなかなか下りなくて、建築計画が半年も遅れてしまった。
- 隣地(空き地)の所有者から、土地の造成工事をしている段階で、早くもクレームが発生してしまった。
- 自分の気に入った間取りでは、敷地内にうまく収まらないので、戸数を減らすか、他の間取りに変更するかの選択をせまられた。結果、不本意な間取りになってしまった。
- 建物が完成した時点では、半分しか入居者が決まっておらず、4か月目でやっと満室になった。
- ライバルのアパートが乱立してしまった。
- 家賃相場が下がり続けた。
- 最初は、礼金2か月だったのに、礼金なしのライバル物件が増えてきたため、礼金がもらえなくなってしまった。
このように、沢山の「想定外」が起こってしまいました。
アパート経営において想定外が起こってしまうかどうかは、「思わぬ事態が発生する可能性」を想定していたか否かではないでしょうか?
Qさんから学ぶ!「想定外」に陥らないためには?
アパート・マンション経営を始める際は、自分にとって都合のいい話だけに耳を傾けるのではなく、「もしかすると赤字になるかも知れない」といった悪い話にも耳を傾けておくべきです。

経営者は、時として不測の事態に巻き込まれることがあります。
アパート・マンション経営を始める方も、不測の事態が起こり得るという覚悟をあらかじめ持っておくべきです。
たとえば、利率が低いという理由で、変動金利でアパートローンを借りるとしたら、金利が年5%を超えることも十分あり得るということを考えておかなければならないのです。
これだけずっと低金利が続いたのだから、そんなに上がることはないだろう
というのは、希望的観測というものです。
これだけずっと低金利が続いたのだから、これからは金利が上がっていくかも知れない
と考えて、金利が5%を超えるような事態になっても大丈夫なのかどうか検討しておくべきです。
その上で、もしそうならなかったらラッキーだったと考えればいいのです。
金利が上がったときの対処法を何も考えようとしないで、「もし金利が上がったらどうしよう」とビクビクしているのが、一番望ましくない態度です。
