
そんな方のために、相続税対策になる「賃貸住宅」について紹介しよう。


不動産の相続税評価の方法とは?

不動産の相続税評価の方法は、土地と建物の評価に分かれています。
土地の評価方法
- 自宅敷地:路線価×土地面積
- 貸家の敷地:路線価×土地面積×(1-借地権割合×借家権割合)
- 貸地(底地):路線価×土地面積×(1-借地権割合)
建物の評価方法
- 自宅建物:固定資産税評価額
- 貸家(賃貸建物):固定資産税評価額(1-借家権割合)
相続税評価額で1億円の価値がある土地と現金1億円を保有している方の財産評価額は2億円となります。
つまり、2億円が相続税評価額となるということです。
しかし、土地に賃貸住宅を1億円で建築した場合は、相続税評価額が大きく減少します。
なぜ大きく減少するのかというと、賃貸建物自体の評価引き下げ効果と、敷地となる土地の評価引き下げ効果が影響するためです。
賃貸住宅の相続税評価方法とは?

賃貸建物の相続税評価額を計算しよう!
先ほど紹介したように、賃貸建物の相続税評価額は
固定資産税評価額(1-借家権割合)=賃貸建物相続税評価額
で計算できます。
固定資産税評価額は、だいたい建物建築価格の50~70%程度のことが多く、1億円で建てた賃貸建物の固定資産評価額は60%の場合6000万円となります。
また、借家権割合は全国一律30%と決まっています。
賃貸建物の相続税評価額
賃貸建物相続税評価額=固定資産税評価額(1-借家権割合)
1億円×60%=6000万円
6000万円×(1-30%)=4200万円
つまり、現金1億円が賃貸建物評価額4200万円ということで5800万円の評価額減となるということです。
賃貸住宅の敷地の相続税評価額を計算しよう!
先ほど紹介したように、貸家敷地の相続税評価額は
路線価×土地面積×(1-借地権割合×借家権割合)=貸家敷地相続税評価額
で計算できます。
借地権割合は、路線価図に記載されていて、地域別に異なりますが市街地の住宅地は60%や70%と設定されている場合が多くなります。
路線価も路線価図に記載されています。
また先ほどと同様、借家権割合は全国一律30%です。
貸家敷地の相続税評価額
貸家敷地相続税評価額=路線価×土地面積×(1-借地権割合×借家権割合)
1億円×(1-60%×30%)=8200万円
つまり、土地1億円が貸家敷地評価額8200万円ということで1800万円の評価額減となるということです。
貸家敷地(貸家建付地)の評価は、貸家を利用している借家人は建物だけでなく敷地についても利用する権利があるということから、借家人が有する土地利用権部分を調整する意味合いで土地評価額を減じています。


賃貸住宅の相続税対策に借入金の有無は関係ない!


賃貸建物の建築による相続税評価額の引き下げには、借入金で建物を建築したか否かは関係がありません。
借入金が有る無いに関わらず、2億円の相続財産が賃貸住宅を1億円で建てると1億2400万円になります。
土地活用をして建物を建築したか否かが唯一のポイントとなりますので、ご注意ください。